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吸入療法と味覚について

吸入療法と味覚に関する論文が最近掲載されていたので紹介します。
 
「Impact of taste changes caused by inhalers on adherence to inhalation therapy among patients with asthma and chronic obstructive pulmonary disease. Respir Investig. 2025 Feb 14;63(3):252-258.」
 
喘息患者さんやCOPDの患者さんでは、吸入治療が重要となってきます。吸入治療は、吸入後に時に苦味や甘味を感じることがあります。この味覚が、吸入治療にどのような影響を与えるか、またどのような時に苦味や甘味を感じるか、を研究した論文になります。
 
内容としては、喘息患者さんやCOPD患者さんにおいて
・吸入抗コリン薬(LAMA)が入っていると苦く感じ、吸入前に口をゆすいでいないと苦く感じやすい。また若い年齢ほど苦味を感じやすい。
・吸入アドヒアランス(吸入を継続して続けられるか)は吸入抗コリン薬(LAMA)で苦味を感じる人や若い人で悪い傾向にあった。
 
以上の結果から、吸入前に口をゆすぐことで、苦味を感じにくくなりアドヒアランスが向上する可能性があります。特にテリルジーの吸入指導では、吸入前に口をゆすぐほうがよいと思います。
 
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