閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)

当院では、睡眠時無呼吸症候群の診断・治療を積極的に行なっています。いびきが酷い方、またいびきが酷いとほかの方に指摘されたことのある方、日中の眠気が強い方、またすでに睡眠時無呼吸症候群を診断されている方も一度お気軽にご相談ください。

疑わしい場合は、自宅での簡易検査から開始し、治療が必要な場合はCPAP療法やマウスピースによる治療を行います。睡眠時無呼吸を放置すると、日中の眠気が増加し、集中力が低下するだけではなく、高血圧や心血管疾患などの生活習慣病が増え、また交通事故も起こしやすくなります。お困りの方は、一度当院にご相談ください。

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睡眠時無呼吸症候群とは?

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の気道

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)では、息の通り道(上気道)が狭くなり、睡眠時に呼吸が止まることで起こります。無呼吸になる手前の段階では、「いびき」がよく見られます。「日中の眠たい」や「ぐっすり眠れた感じがない」といった訴えで来院される方や、またご家族にいびきを指摘されて来院される方も多くいらっしゃいます。また起きている時は鼻呼吸でも、寝ている時に口呼吸になってしまう方も多くいます。そして寝ている時に口呼吸になると、いびきをかきやすくなります。

無呼吸になる主な原因として、肥満・首が太い・顎が小さい・扁桃が大きいなどが挙げられます。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)を疑う方には、以下のような問診票を使って症状をお聞きします。合計点が11点以上は「日中の強い眠気あり」と判断し、検査をお勧めします。合計点が5-10点の方は「日中の眠気あり」と判断し、検査を検討します。

問診票

睡眠無呼吸症候群はなぜよくないのか?

睡眠時無呼吸症候群がなぜ悪いのか?

閉塞性睡眠時無呼吸症候群が持病にある方は、夜間の睡眠障害によって日中の生活が障害されます。具体的には、眠気、集中力の低下、記憶力の低下、イライラなどがあります。起床時の頭痛や性欲の低下を訴える方もいます。
もう一つの睡眠時OSASの恐ろしい点として、夜間に無呼吸になることで血圧が上昇したり、心血管系疾患・脳卒中や不整脈の増加などが起こることです。これらの合併症は睡眠時無呼吸症候群をしっかり治療することで改善し、寿命が伸びることがわかっています。

睡眠時無呼吸症候群による合併症

検査方法は?

アプノモニターと呼ばれる検査を貸し出し、自宅で装着した上で就寝していただきます。この検査では、指センサーと鼻センサーを用いて「呼吸」「SpO2(酸素飽和度)」「いびき」「脈拍」を測定します。これらの結果から、無呼吸や低呼吸の回数を算出します。

アプノモニター検査

検査の流れ

ご自宅へ宅急便で郵送し1泊検査を行った後、宅急便で返送頂きます。普段お酒を飲まれている方は、普段通り飲酒して検査を受けていただいて構いません。2週間程度で結果が判明しますので、その後結果説明をクリニックで受けて頂きます(オンライン診療でも可)。

アプノモニター検査を行うことで、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)がわかります。このAHIの値によって、治療方針やさらなる精密検査を行うかどうかを決定します。

簡易アプノモニターの結果の解釈

診断

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断・治療の流れ

問診で睡眠時無呼吸症候群を疑った場合に、診断にはまず簡易アプノモニター検査を行います。AHI≧40の場合は、治療が必要な睡眠時無呼吸症候群と判断しCPAP治療を導入します。AHIが5〜40の場合は、治療が必要かどうかさらに調べるためにポリソムノグラフィー(PSG)検査を検討します。PSG検査は、自宅で行うこともできますし、入院でも行うことができます(入院の場合は他院へ紹介いたします)。PSG検査の結果、AHI≧20ではCPAP治療を導入、5≦AHI<20ではマウスピースによる治療を検討します。簡易アプノモニターでAHI<5の場合でも、日中の眠気やいびきなどの自覚症状が強い場合は、PSG検査を行うこともあります。

ポリソムノグラフィー(PSG)検査

当院では在宅でPSG検査を行なっています。メリットは、自宅で行えること、検査費用が入院で行う場合に比べて安いことです。デメリットとしては、入院で行なった場合よりも少し精度が落ちることなどです。

PSG

CPAP治療

CPAP治療は、専用のマスクをつけて就寝して、機械から加圧した空気を鼻から送り込むことで、睡眠中の無呼吸を防ぎます。CPAP治療を開始した翌朝か数日後には、いびきや無呼吸などの症状が改善し、よく眠ることできるようになったと多くの人が感じます。特に重症の患者さんほど、効果をはっきりと実感するようです。さらに無呼吸が改善すると、心筋梗塞や脳卒中のリスクが健康な人と同程度まで抑えられることがわかっています。
CPAPによる治療は簡易アプノモニター検査でAHI≧40、もしくはPSG検査でAHI≧20の方が適応になります。

当院で取扱いのあるCPAP機種

当院ではCPAP機器のレンタルを行なっています。主に以下の4機種を取り扱っており、通常タイプと出張の多い方向け小型タイプがあります。通常タイプでは、通信機能を備えており使用状況や空気の流量などをデータ解析してクリニックに送ってくれます。小型タイプは持ち運びに便利ですが、一部の機器ではデータが入ったSDカードをクリニックに持参していただく必要があります。費用は診察代と機器のレンタル代で約5000円程度(3割負担)です。

CPAP機器

マウスピース

マウスピース

マウスピース治療の適応となる患者様は、

  • 簡易アプノモニターで5≦AHI<15の方
  • PSG検査で5≦AHI<20の方
  • CPAPの機器がうまく装着できず、続けられない方

となっています。 CPAPマスク治療に比べると、比較的簡単に装着でき、患者様の負担感が少ないといったメリットがあります。副作用としては、顎の痛みを感じたり、朝起きた時に歯が浮いたような感じがするといった訴えがありますが、多くが次第に改善します。
マウスピース治療の適応となる方は、歯科クリニックへ紹介いたします。歯科で保険の適応を受けるためには、紹介状と睡眠検査の結果が必須となっています。

定期通院

定期通院CPAPマスクを使用している場合は、定期的に受診する必要があります。通常は1-2ヶ月に1度医師の診察を受ける必要があります(保険診療を継続するために必須)。
当院では、オンライン診療を使った定期通院を行なっています。ただし3ヶ月に一度は対面診察が必要です。2ヶ月ごとに対面診察とオンライン診療を交互に行う方法もあります。費用は、対面診察の場合と比較しても大きく変わりありません(オンライン診療の方が少しお安くなります)。ご希望の際は、お気軽に問い合わせください。

オンライン診療を使った定期通院

費用

CPAP治療を受ける場合は、月1回の通院で機械のレンタル料金を含め約5000円/月かかります。

OSAS検査費用

CPAP治療の効果

CPAP治療の効果には以下のようなものが挙げられます。CPAP治療を行うことで、症状が良くなるだけではなく、合併症(高血圧や心血管病)の発生を抑え、寿命が伸びる可能性があります。

 
 
 

よくある質問

CPAPは1日何時間すれば良いですか?

必要な治療時間には個人差がありますが、1日4時間以上使用する日が週5日以上あることが好ましいと考えられています。

出張が多い仕事ですがCPAPを利用できますか?

持ち運びが可能なCPAPの取り扱いも可能ですので、利用開始時にご相談ください。近年は、小型で軽量なタイプが増えてきています。

CPAPはいつまで使ったら良いのでしょうか?

CPAPによる治療は病気を根本から治すものではないので、基本的には生涯にわたって機械を使用することになります。ただし肥満が原因で病気を発症した患者さんは、減量に取り組むことでCPAPをやめることができる可能性があります。

横向きになって寝ると良いと言われたが、どのようにしたら良いでしょうか?

横向きになって寝ることで気道に少し空気の通るスペースができることがあります。体の向きによって改善する症例は約半数存在すると言われており、若い方、軽症の方、痩せている方で体位では改善する可能性があります。仰向けで寝ない工夫としては、パジャマの背中にポケットを作ってそこにテニスボールを入れる「テニスボール療法」、リュックに布などの軽いもの入れて背負って眠る方法、枕を変える方法(横になって眠る場合5cm程度枕を高くした方が良い)などがあります。

睡眠時無呼吸症候群を手術で治療することはありますか?

鼻茸や鼻中隔弯曲症などがあって鼻閉を自覚している場合は、鼻の手術(内視鏡下鼻内手術や鼻中隔矯正術)を行います。扁桃肥大や口蓋垂(のどちんこ)の肥大がある場合も手術を検討することがあります。

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